
「子どもが不登校になって、どう過ごさせればいいのかわからない」
「学校に登校することを促した方がいいのか、今は様子を見た方がいいのか迷っている…」
このような悩みを持っているご家族は多いです。
本記事では、不登校の昼間の過ごし方について解説していきます。
不登校の昼間の過ごし方
本来であれば学校で過ごしている昼間ですが、不登校になると家で過ごすことになります。
不登校から学校復帰までにはステップがあり、それに応じて過ごし方も変えていく必要があります。
まずは休養させる
不登校になった直後は、心も体もストレスを抱えています。
まずはゆっくり休養し、元気を回復させることが大切です。
最終的に学校に戻るためにも、たくさん寝たり本人が好きなことをする機会にできると良いでしょう。
生活リズムをなるべく崩さないように!
ゆっくり休養しなければいけない時期に最も注意したいのが、昼夜逆転です。
一度昼夜逆転してしまうと戻すのが大変な他、生活リズムがご家族と合わなくなりコミュニケーションの機会が減り、結果不登校が長引くことに繋がってしまいます。
なるべく午前中のうちに起きる、夜は日付が変わる前には布団に入るなど、生活リズムをなるべく崩さないようにしましょう。
とはいえ、学校に行かなくなると朝起きるのが嫌になることもあります。
「あぁ、この時間にみんなは登校しているんだよな」
「本当は学校に行かなくちゃいけないんだよな」
などと考えてしまうので、朝起きるのを避けるようになります。
無理に早起きさせる必要はありません。学校に行くときと同じ時間でなくていいので午前中には起きるように、そして毎日だいたい同じ時間に起きることができれば問題ありません。起きる時間がまちまちだったり、午後に起きて明け方に寝るような場合は改善した方が良いでしょう。
勉強の強制やスマホの制限はNG
学校に戻った際に勉強面で遅れないか不安に思うこともあるかもしれませんが、この時期に勉強の強制をするのはNGです。
本人が勉強したいと言うのであれば止める必要はありませんが、勉強自体が学校のことを思い出す引き金になっている可能性もあります。
また、1日中スマホやゲームをしている場合も、無理に取り上げたり時間を制限してしまうとお子さんの拠り所や居場所がなくなってしまうので、生活リズムが崩れない範囲で好きなことをやらせてあげるのがベストです。
ある程度、気持ちが回復してきたら?
ゆっくり休養し心と体を休めると、お子さんに笑顔やコミュニケーションが増えてくると思います。
このようにある程度気持ちが回復してきたら、次段階として少しレベルアップした、徐々に負荷をかけていくと良いでしょう。
家庭内での役割を与える
掃除や洗濯などの基本的な家事をお子さんに任せるなど、家庭内での役割を持たせてみましょう。
「朝9時までに洗濯を干す」、「昼食を自分で作る」など毎日行う役割ができると、自然と生活リズムも作ることができます。
得意なことを見つけて伸ばす
お子さん自身が興味のあることを、目標を立てて取り組ませてみると良いでしょう。
例えば、絵を描くことが好きなのであれば期日とお題を決めて絵を描き上げる、ゲームやパソコンが好きなのであれば親子でプログラミングを学んでみるなど、とにかく本人が好きなことであれば何でもokです。
不登校という長期休みを利用して取り組んだことは将来に繋がり、学校復帰後もお子さんにとっての自信になるでしょう。
塾や習い事などの活動に参加する
学校以外で家の外との繋がりが欲しくなったら、塾や習い事などの活動に参加するのも手です。
学校では出会えないような友達や仲間ができることによって、その場所がお子さんにとっての「居場所」となる可能性もあります。
登校刺激を与えた方がいい?
お子さんが家の中で楽しく過ごせるようになるまで回復すると、ご家族はやはり「学校に行ってほしい」といった気持ちが出てくると思います。
しかし適切でないタイミングで登校刺激を与えてしまうと、せっかく回復していた心が以前の状態に戻ってしまったり、トラウマがフラッシュバックしてしまう可能性があります。
お子さんの心が回復してきて、外出や家庭内の役割を問題なくこなせるようになった段階で「学校に行きたくなったらいつでも応援するからね」などの言葉をかけるくらいが良いでしょう。
慌てず丁寧に進めることが大事
このように、不登校の昼間の過ごし方には大きく分けて「休養する期間」と「学校復帰に向けた期間」の2つのステップがあります。
まずはお子さんが家庭内で安心して過ごせるような環境をつくることが、不登校問題解決の第一歩となります。
編集人プロフィール

- 公認心理師・精神保健福祉士
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合同会社ぜんと 代表
大学在学中にに不登校や引きこもりの問題を抱える家族支援を目的としたNPO法人を立ち上げる。これまで20年以上、不登校・引きこもりなど家族の問題についてカウンセリングを実践しています。
4人息子の父親。
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