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子どもにとっても大人にとっても、本来は家庭が一番安らげて落ち着く場所のはずです。しかし、その家庭内において、誰かが暴力をふるっていたら、気が休まることがなく、お互いに疲弊していきます。

不登校に関する家族カウンセリングを20年以上行うなかで、家庭内暴力に関する相談は非常に多くいただきます。実は、家庭内暴力は比較的短期間で改善させることが多いです。実際に1回の面接で改善することも多く、論文や本、Webなどでも多く紹介しています。
ここでは、実際の20年以上の家庭内暴力の相談を扱ってきた経験を踏まえて、ご家族にも役立つ家庭内暴力の改善に役立つ情報をお伝えします。

この記事を書いた人

不登校なんでも相談室管理人の似顔絵

吉田 克彦(公認心理師・精神保健福祉士)

スクールカウンセリング歴25年超、小学校・中学校・高校(全日制・定時制・通信制)でのスクールカウンセラーとしての活動経験あり。東日本大震災の被災地心理支援、業界最大手の化学製品会社の常勤カウンセラーなどを経て、現在は合同会社ぜんと代表。
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落ち着いている時間を長くする

よく暴力を振るうお子さんでも、落ち着いている時間はあると思います。
お子さんが暴力を振るう時間を無くすためにはまず、落ち着いている時間を長くすることが大切になります。
この時に気をつけたいのは、せっかく子どもが落ち着いているのに暴力を振るう引き金をご家族が作ってしまうことです。
例えば「昨日なんで暴れたの?」などと暴力のことを蒸し返したり、学校の話をするなどがあります。

暴力を止めるには?

お子さんが暴れている時に暴力を止めるのは難しいです。
そのため暴力を振るっている時に止めるよりも、そもそも暴れないようにすることが大切になります。
多くのご家庭では、子どもが落ち着いている時に説教をするなど厳しい対応をして、子どもが暴れている時には要求を受け入れてしまっていることがありますが、これは逆効果です。

その時子どもは「暴れれば自分の思い通りになる」と学習して、暴力が更にエスカレートしてしまいます。
一方で、家庭内暴力をふるうお子さんは、普段は家族と仲が良く、落ち着いている時はむしろ家族に優しいことも多いのです。

落ち着いている時に暴力を注意するのは、なぜNGなのか?

例えば子どもが落ち着いている時に、ご家族が「こんなに機嫌がいいなんて珍しい」などと嫌味なことを言ったり、「学校にはいつ行くの?」と学校のことを思い出させたりというようなことは、子どもが暴れる引き金を引いてしまうためNGです。
そして子どもが暴れたときに要求を受け入れてしまうと、先ほども述べた通り「暴れれば自分の思い通りになる」という学習から暴力が更にエスカレートします。

この状況を、子どもの立場に立って考えてみましょう。「機嫌が悪くなり暴れると家族は黙ってくれる。そして、暴れないで自分が機嫌を良くしていると家族はイヤなことを言ってくる」ということになります。そうすると、自分を守るために暴れているともいえるかもしれません。

落ち着いている時にできるだけ、落ち着いている状況を認めてあげる、そして話を聞いてあげてください。もし、暴れ出したら離れて要求には答えないようにすることで、「暴れてもプラスにならない」ということを子どもが理解すれば、暴力はなくなります。

一番大切なのは子どもが暴れず過ごすこと

「子どもが落ち着いている時じゃないと冷静に話せない」
「落ち着いている時にしか説教できない」

子どもと話し合って問題を解決したい、ダメなことはダメと伝えたいといった気持ちはあると思います。
親からのメッセージを伝えることももちろん重要ですが、一番大切なのは子どもが暴れず穏やかに過ごすことです。

暴力がある現状で説教や嫌味を言うことで、子どもが不機嫌・不安定になり暴力につながるくらいなら、今は穏やかな時間を増やしできるだけ暴力を減らすよう注力しましょう。

親子の会話については次の記事も参考になります。

親子の会話がなくて子どもの気持ちがわからない|解決のコツを家族専門のカウンセラーが徹底解説

子どもが不登校の時に一番困るのが親子の会話がないことではないでしょうか。 子どもからは何も話そうとせず、親から何か話しかけてもすぐに不機嫌になる。 会話がなくな…

さいごに

このように、お子さんの暴力を無くすためにはまず落ち着いている時間を増やすことが大切です。
いくら暴力が激しくても、24時間ずっと暴れ続ける子どもはいません。

暴力的な中でも必ず落ち着いている時間があるので、その時間を維持できるようにすることが大切になります。
また、せっかく落ち着いている時間に説教や嫌味を言うのはあまり効果がなく、暴力を振るうからといって要求に答えていると暴力はエスカレートしていきます。

お子さんも暴力でしか自分の気持ちを表現できない現状に苦しんでいると思います。
まずは子どもが落ち着いている時間に、少しでもその時間を子どもが楽しく過ごせるようにすることから始めて、この負のスパイラルから抜け出しましょう。

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投稿者プロフィール

吉田 克彦
吉田 克彦公認心理師・精神保健福祉士
不登校・引きこもりの家族相談を行って20年超。
スクールカウンセリングから、東日本大震災の被災地心理支援、企業内カウンセラーなどを経て、現在は合同会社ぜんと の代表。