
不登校になる場合、必ず明確な理由があるかというとそうでもありません。「よくわからない」場合が多くあります。
原因探しばかりにこだわり、本当の問題解決を先送りした結果、問題が長期化・深刻化してしまう危険性があります。
しかし、私たちは不登校には必ず原因があると考えます。「学校を休むということはとても大きなこと。それを選ぶということは、それ相応の理由があるはずだ」と思っている人も多いでしょう。本当に理由がないのでしょうか?
この記事では、元不登校経験者のツイートを引用して、確認していきましょう。
なお、ここに引用しているツイートは全て、ご本人に引用の許可を頂いた上で、掲載をしております。
明確な理由のない不登校は多い
それでは、実際にツイートを見ていきましょう。なお、この記事で紹介するツイートに関しては全てご本人から引用の掲載の許可を頂いております。
いおりさんの場合
まずは、いおりさん(@iorimiyake)のツイート。小学校3年生から中学卒業まで7年間不登校だった経験からの言葉です。
確かに、小学3年生で学校へいけない理由を言語化するのは難しいですよね。「幼いから言語化できない」という理由は確かにありそうです。
いおりさんは「行けない理由が言語化できない状態」について、他にも何度もツイートしております。
毎朝の学校への欠席連絡で負担がどんどん増えていきます。その状況では、学校と保護者や子どもの信頼関係が作られることはないでしょうし、さらに学校から足が遠ざかってゆくでしょう。
クゥーさんの場合
次は、陽気な元不登校@クゥーさん(@5kuuuuu5)のツイートです。クゥーさんも小学3年生から中学卒業まで7年間の不登校経験があるそうです。
学校にいけないだけでもその時は辛かったでしょう。その上で、理由を聞かれることが「嫌だったこと」とのこと。
不登校の子どもに、理由を聞き続けることは、もしかすると保護者が子どもへ嫌がらせを続けているようなものかもしれません。
いおりさんのツイートもそうですが、クゥーさんのツイートはさらに”いいね”が多いですね。それだけ多くの共感・同意を得ていることがわかります。
大事なことは、原因ではなく、これから
以上、ここでは不登校経験者のツイートから「理由がない場合もある」ことを確認し、理由を尋ね続けることによる弊害を見てきました。
ここで引用した方々は、みなさん「理由がない不登校を経験した」けれど、現在の生活はとても充実しています。
このことからも「不登校の理由を探し続けることの無意味さ」、そして「理由を明確にしなくても何とかなること」がわかるのではないでしょうか。
「不登校の理由がわからなければ対応できない」という考えは、捨てましょう。
原因探しの罠にはまることなく、「いま、何をすればよいか」を第一に考えることが大事だと改めて思います。
編集人プロフィール

- 公認心理師・精神保健福祉士
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合同会社ぜんと 代表
大学在学中にに不登校や引きこもりの問題を抱える家族支援を目的としたNPO法人を立ち上げる。これまで20年以上、不登校・引きこもりなど家族の問題についてカウンセリングを実践しています。
4人息子の父親。
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